そうだ樹海に行こう ~河口湖編~
いつも一人旅をする時は、日帰りだが今回はちょっとリッチに民宿に宿泊することにした。
河口湖の民宿。夫婦でやっている小さな宿。
おじさんも女将さんもとても素敵な人。
次も利用したくなるような宿だった。
私たちは荷物を置いて、河口湖を散歩し始めた。目標は一周である。
ネットで調べたら、一周は2時間で行けると書いてあった。
この時は、「じゃぁ、目標は遅くても7時に宿に到着だね。」と言い、宿を5時に出発した。
これが後で、とんでもない事になるとは。
時々、富士山を眺めながら、遊歩道を歩いた。
途中、公園で休憩した。
靄がかかっていたが、ブランコから眺めた夕焼けと富士山は最高にきれいだった。
たそがれるには一番良い場所だ。
二時間歩き続けて、大石公園に到着した。
そこで、六時のチャイムを聞いた。学校と同じチャイム。
脳内には若者のすべてが流れた。
あれは、夕方五時のチャイムだが。
あと一時間で向こう岸に行けるのだろうかと不安になったが、「ここまで来たら一周しよう!」と変な意地が出てスピードを上げて歩くことにした。
長浜あたりで辺りは真っ暗になった。
街頭もない。疲れもピークに達していた。
人間は不思議な生き物である。限界を超えると逆に元気になる時もあるのだ。
二人ともおかしなテンションになり、大声でいろんな歌を歌い始めた。
歌い続け、最後は負けないでからのサライでしめた。
真っ暗闇に響く歌声。さぞかし目撃した人は怖かっただろう。
道の駅かつやまを過ぎた時、民宿の女将さんから電話があった。
帰りが遅いので心配してくれていた。
場所を告げると、そこから動くなと。
地図を広げてびっくり。ここから民宿まではあと半周残っていた。
迎えに来てくれた車の中で、一周2時間と言うのは走った時間だと聞かされた。
「走って」と言うのを見落としていたのである。
河口湖は、改めて物凄く広いのだと痛感した二人であった。
友達と泊る時の楽しみは、寝る前のおしゃべりである。
女の子はこういう時、たいてい恋バナをするらしい。
恋バナの「こ」の字も出てこない私たち。
その代わり将来について深く語り合った。
話している中で、自分のやりたい事がはっきりしてきた。
人に話すのは、大事だと思う。あと、誰に話すのかも重要だ。
樹海と河口湖。充実した一日になった。